ブラックロック ETF/ETP に関する今後の展望を発表
ETF/ETP の全世界総資産残高は、2012 年初頭までに2 兆ドルを超えるペースで推移。
【 2011 年2 月1 日 ロンドン 】 -ブラックロック・インク(NYSE:BLK)は1 日、ETF(Exchanged Traded Funds)とETP(Exchanged Traded Product)の全世界での資産残高は、次の3 年間で毎年20%から30%増加すると考えられ、2012 年の初頭までにおおよそ2 兆米ドルに達するとの見通しであると発表しました。
※ブラックロック グローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジーの調査による
ブラックロックのグローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジーが昨年末に作成したETF/ETP の市場概要及び展望によると、2010 年12 月末現在、世界で3,503 本のETF/ETPが設定され(重複上場したETF/ETP を含むと7,311 本)、50 取引所で1 兆4820 億米ドルの資産が168 社のプロバイダーにより運用されています。2009 年末時点では、世界で2,672 本のETF/ETP が設定され(重複上場したETF/ETP を含むと4,856 本)、45 取引所で1 兆1560 億米ドルの資産が132 社のプロバイダーにより運用されていました。
ブラックロックのグローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジーのグローバル・ヘッドであるデボラ・ファーは、「2010 年にみられたような、ETF/ETP の残高の伸びは、2011 年も継続することが予想される。」と述べています。
ETF は株式のように取引所にて自由に売買ができるインデックス連動型の投資信託で、短期から長期的な投資ニーズに対応し、また、分散投資をも容易にする金融商品として注目されています。ETP には、典型的な投資信託とは異なり、グランター・トラスト、パートナーシップ、ノートとコモディティ・プール、といった構造の金融商品が含まれます。
更にデボラ・ファーは、以下のように述べています。
「全世界でのETF 総資産残高が2 兆米ドルの大台に達するのは2012 年中、米国がETF 総資産残高1 兆米ドルに達するのは2011 年中、ヨーロッパがETF 総資産残高5000 億米ドルに達するのは2013 年中と予想されます。また、ETF とETP の合計では、米国単独でも2013 年には2兆米ドルに達し、欧州では2012 年中にも5000 億米ドルの大台にのるでしょう。
主な要因として、1) ETF/ETP が対象としている株式、債券、コモディティ、その他の指数の種類や数の増加、2) ETF を購入できるファンド・プラットフォームの増加、3) オンライン証券や投資アドバイザーによる活発なマーケティング、4) ETF 取引の開始を検討している取引所の増加、5) 米国、欧州、新興国における法改正などがあげられます。
全世界におけるETF の需要は、その多様性、透明性や高いコスト効率など、ETF の様々な利点を機関投資家と個人投資家の双方が認知したことで急速に拡大しています。コスト効率、柔軟性、流動性、幅広い投資ニーズに対応できる多様な商品群、といったETF の利便性は、ブル・ベア市場の双方において投資家から支持されていると言えます。」
ETF への資金流入によって、投資家の株式回帰をみてとれる
「2010 年のETF における資金流出入動向は、各資産クラスにおける投資家心理を把握するうえで重要な指標となりつつあると思われます。2010 年、先進国ETF と新興国ETF は、大幅な資金の流入に恵まれた一方で、債券、コモディティのETF/ETP への資金流入は、投資家のリスク許容度変化に伴い2009 年比で減少しました。
尚、米国におけるETF/ETP への資金流入は、2009 年には1,763 億米ドルであったのに対して、2010 年は1,694 億米ドルでした。
株式指数に連動するETF/ETP において、2010 年は2009 年よりも691 億米ドル多い1063 億米ドルの資金流入がありました。先進国の株式指数に連動したETF/ETP への資金流入は、2010年に642 億米ドル、2009 年は346 億米ドルでした。一方、新興国の株式指数に連動するETF/ETP は、2010 年に421 億米ドル、2009 年は345 億米ドルの資金流入となりました。
債券に連動するETF/ETP の資金流入は2009 年の543 億米ドルに対して、2010 年には377 億米ドルとなりました。コモディティに連動するETF/ETP の資金流入は、2009 年の462 億米ドルから、227 億米ドルへと2010 年は大きく減少しました。」
リスク管理を行いながら、広範なエクスポージャーを得る
「2008年と2009年の厳しい市場環境下、カウンターパーティ・リスクや流動性に対する投資家の意識に大きな変化が起こりました。そして、2010年には多くの投資家が、他の投資手段と比較して、ETFが信託報酬、構成銘柄、価格、流動性、商品構造、リスク・リターン特性などの面において、投資家が求めている透明性を満たすものであることに気づきました。
ETFは、国内の資産クラスを始めとして、世界の各地域及び各産業セクターへのアクセスを容易にしてくれます。また、最も重要な点として挙げられるのは、ETFが投資家に有望なマーケットへの投資参入機会を与えてくれることです。
また、オルタナティブ投資関連のETFも増加していますが、投資家がポートフォリオのコアとして引き続き活用すると思われるのは、様々な市場指数に連動するETFだと言えます。昨今の不安定な市場環境が続くなか、単一市場やセクター等へ投資する運用商品では、安定した収益を継続して得ることが困難だと思われます。様々な市場指数に連動するETFをポートフォリオのコアとして保有することで、投資家はボラティリティを軽減するだけではなく、比較的高いリターンを得ることができると思われます。
ETFの誕生により、機関投資家と個人投資家の双方において、投資ポートフォリオの構築手法が根本的に変化しました。今後もETFは、低コストでベータのエクスポージャーが得られる有効的な投資手段の一つとして、機関投資家及び個人投資家に、支持されていくと考えられます。」
ETF 市場の成長による更なる啓蒙活動への必要性
「ETF/ETP の多様化が進み、投資家が増加することによって、投資家への教育ニーズが増しています。投資家はETF/ETPの異なる商品構造やそれに見合った活用法を更に深く理解する必要があります。
市場拡大と商品革新が進む中、あらゆる投資家にとってETF/ETP を利用することで得られる潜在的な利便性を効果的に実現するためには、ETF/ETP の構造、ベンチマーク、商品性や活用法などを深く理解することは必要不可欠な要素となります。
近年の金融市場において、ETF は最も革新的な金融商品の一つであり、今後の展望にも大きな期待がもてますが、同時に重大な岐路に立っているとも言えます。投資家がETF/ETP の仕組みや構造、税制、規制関係などへの理解を更に深めるには、ETF 業界全体による強い支援が必要と考えられます。加えて、様々な商品構造の定義について業界で統一することも2011 年に求められる業界へのニーズの一つと思われます。 また、投資家がETF/ETP への投資を検討する際、商品構造、指数と連動させる運用手法、価格形成など、商品情報に対する更なる透明性が極めて重要であることにも認識が必要といえます。」
ブラックロックについて
ブラックロックは、運用資産規模や運用資産の多様性など様々な面で世界トップクラスの独立系資産運用会社です。グローバルにわたる資産運用、リスク・マネジメント及びアドバイザリー・サービスを世界の機関投資家、及び個人投資家の皆様等に提供しております。ブラックロックは、ファンダメンタル運用及び定量的アクティブ運用から、世界の資本市場を広範にカバーするインデックス運用まで、幅広いソリューションをご用意しております。こうしたソリューションを、機関投資家向けの投資一任口座や投資信託、個人投資家向け投資信託や業界を牽引する規模を誇るETF(上場投信)ブランドのiシェアーズ®等、様々な商品を通じてお客様にご提供しております。
ブラックロックでは、お客様のニーズにお応えすることが最も重要であると考えます。ブラックロックにおける運用に対する姿勢は、個人投資家から世界の機関投資家の皆様まで、お客様のご希望を常に最優先と考える企業文化に根ざしております。ブラックロックの運用アプローチは、どのような市場環境においても優れたパフォーマンスを確保するべく、市場見通し、グローバルな規模とネットワーク、自社開
発テクノロジー、徹底した情報の共有、厳格なリスク・マネジメントといった様々な要素を統合していくことにあります。ブラックロックは、グローバル・ネットワークと各拠点でのクライアント・サービスを併せ持つグローバル企業です。お客様は北米、南米、欧州、アジア、オーストラリア、中東に広がっています。
また世界25ヶ国60超の都市に拠点を構えています(2010年12月31日現在)。
2010年12月31日現在、ブラックロックのグローバル・ベースの運用資産額は3.561兆ドル(約289兆円)にのぼり、株式、債券、キャッシュ、オルタナティブ、不動産、アドバイザリー戦略と多岐にまたがります。また、ブラックロック・ソリューションズRを通じて、幅広いお客様に対してリスク・マネジメント、戦略アドバイザリー及び運用システム・サービスをご提供しており、契約サービス資産額は総額約9.5兆ドルにのぼります。
ブラックロックのグローバル・ETF・リサーチ・アンド・インプリメンテーション・ストラテジーについて
ブラックロックのグローバル・ETF・リサーチ・アンド・インプリメンテーション・ストラテジー・チームは、世界のETF/ETP市場のデータ、分析、見通しに関して、業界有数の情報源との評価をいただいています。
当チームはETF/ETPに焦点を当てていますが、iSharesの業務とは一線を画しており、お客様向けにETFとETPを利用したアセットアロケーションに関して独立した立場から市場リサーチとアセット・アローケーション戦略の実施におけるアドバイスを提供します。マネージング・ディレクターのデボラ・ファーが当チームを率いており、ETF市場に関して毎週、毎月、四半期ごとに包括的なコメントを提供するレポートとして「ETF Landscape」シリーズ、および168社の運用会社が提供するすべてのETFとETPを網羅したハンドブックを発行しています(運用会社数は2010年12月31日現在)。広範なリサーチ対象は業界内では類がなく、北米、中南米、欧州、中東、アジア、日本を重点に世界全体、および主要地域やETFの主要ジャンルを網羅しています。これらの刊行物は、世界の証券取引所、規制監督機関、金融関連メディアに携わる人々にとって、必要不可欠な情報源となっています。このタイムリーで包括的なリサーチおよび市場に対する識見を通じて、ダイナミックなETFの市場を一段と深く理解し、すべての市場参加者がETFを利用することで最適な投資価値を見いだせるようサポートしていくことは、当社のETF業界に対する使命であると考えています。
関連リンク
ブロックロック・ジャパン株式会社 http://www.blackrock.co.jp/index.htm
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