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ブラックロック 第一四半期(1~3 月期)のETF/ETP に関するレポートを発表

ETF の全世界総資産残高は年初来から 6.7%上昇し、現在1 兆3,990 億米ドルに。
激動の第1 四半期を反映し、前年同期2 倍となる414 億米ドルの資金が流入。
中東の政情不安を背景にエネルギー分野に興味を示した投資家が投資配分を調整。

 【 2011 年4 月18 日 ロンドン 】 -2011 年の第1 四半期には、ETF/ETP に414 億米ドルの新規資金流入がありました。これは2010 年第1 四半期の2 倍以上であり、通常第1 四半期は新規の資金流入が穏やかな事を考えると、今年のETF/ETP 業界はかなり勢いの良いスタートを切ったことになります。ブラックロック グローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジー・チームによると、ETF の全世界総資産残高は2011 年第1 四半期に6.7%上昇し、1 兆3,990 億米ドルになりました。

 ブラックロックが第1 四半期終了後に出した最新のレポートによれば、ETF は世界48 の証券取引場で2,605 本(重複上場したETF を含むと5,905 本)が設定され、142 社のプロバイダーにより運用されています。また、これと比較して2010 年の第1 四半期には、世界で2,131 本のETF が設定され(重複上場したETF を含むと4,133 本)、42 取引所で1 兆820 億米ドルの資産が123社のプロバイダーにより運用されました。

 ETF とETP を合わせると2011 年第1 四半期終了時点で、世界52 の証券取引場で3,724 本(重複上場した分を含むと7,740 本)のETF/ETP が設定され、178 社のプロバイダーにより1 兆5,830 億米ドルの資産が運用されています。これと比較して2010 年第1 四半期時点では、世界44 の取引所で2,849 本のETF/ETP が設定され(重複上場したETF/ETP を含むと5,158 本)、147 社のプロバイダーにより1 兆2,350 億米ドルの資産が運用されていました。

世界情勢へのタイムリーな対応が可能なETF

 ブラックロックのグローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジーのグローバル・ヘッドであるデボラ・ファーは、「世界の投資市場は、2011 年の第1 四半期に多くの不測の事態に遭遇しました。中東から北アフリカにかけての社会不安と政治不安、気候異変、そして壊滅的地震と津波の後で起こった日本における原発事故などです。このような様々な事象に対する投資家行動の結果として、この期間に414 億米ドルの新規資金がETF に流入しました。投資家は、投資戦略に応じ、適切と考えられる対応をタイムリーに実行したのです。」と述べています。ETF は、株式のように取引所にて自由に売買ができるインデックス連動型の投資信託であり、短期から長期的な投資ニーズに対応し、さらに、分散投資をも容易にする金融商品として注目されています。ETP には、典型的な投資信託とは異なり、「グランター・トラスト」、「パートナーシップ」、「ノートとコモディティ・プール」といった構造の金融商品が含まれます。2011 年第1 四半期における ETF の全世界総資産残高の6.7%の上昇(1 兆3110 億米ドルから1 兆3990 億米ドルへ増加)は、第1 四半期のMSCI ワールド・インデックス時価総額4.3%の増加(米ドルベース)を上回りました。またこれは、前年同期の.ETF の全世界総資産残高4.4%の増加も凌いでいます。

 デボラ・ファーは、「2011 年第1 四半期におけるETF/ETP への資金流入が、今回再び増加している背景には、ETF/ETP が投資家の確固たる信頼を得た金融商品になったことがあげられます。ETF には、様々な指標へのエクスポージャーを可能にし、市場が開いている限り複数の証券会社において売買できる流動性や売買費用の効率性もあります。こうした商品特徴が、2011 年第1 四半期に高く評価されたのだと思われます。」と述べています。

地域的な政情不安、悪天候、災害への反応

 デボラ・ファーは、「2011 年の第1 四半期に、投資家は中東や北アフリカの政情や、農業に影響を与えた干ばつ及び洪水、3 月11 日に発生した日本の地震・津波・原発事故、そして米国における企業業績や雇用のニュースに反応して、市場エクスポージャーや資産クラスの配分を容易に調整することができました。

 新興市場全般と中国への投資商品に関しては、第1 四半期当初は資金流出の様相を呈していましたが、3 月に入ると資金流入が増加しました。一方、ブラジル、ロシア、韓国、台湾などの新興国1 国への投資商品に関しては、第1 四半期全体を通して資金流入が多くなりました。こうした第1四半期の動きからわかることは、ETF の特徴がエクスポージャーを簡単かつ即座に調整できることであり、このことを投資家が魅了的な利点と認識しているということです。」と述べています。

 デボラ・ファーはまたこう述べています。「日本に焦点を当てた商品、特にMSCI ジャパン・インデックスに連動する商品は、3 月に大幅な資金流入がありました。投資家が地震と津波の影響を考慮した投資戦略をとったことが背景と思われます。更にこの状況が証明していることは、投資家がMSCI指数に連動したETF商品を、自国市場以外でのエクスポージャーを得る際に活用する機会が増加しているということです。

 第1 四半期、ETF への投資を活発にしたもう一つの要因として、インフレへの懸念が挙げられます。インフレ懸念によって、様々なコモディティ指数へのエクスポージャーを提供する商品や好配当株式、好利回りの商品、金、不動産などが大きな関心を集めました。」「また、エネルギー分野へのエクスポージャーを提供する商品への資金の流入も見られました。これは投資家が中東や北アフリカの政情不安によるエネルギー価格の上昇を見込んで投資することへの関心を示しています。現在では地政学リスクとそれに伴うエネルギー価格の上昇リスクは、より平常に近いレベルに戻りつつありますので、こうした動きは穏やかなものだと思われます。」とデボラ・ファーは述べています。

 2011 年の第1 四半期には、259 億米ドルの資金が株式型ETF/ETP に流入しました。また、確定利回型ETF/ETP には、79 億米ドルの資金が流入しました。このうちハイ・イールド債ファンド(好利回りのエクスポージャー)を提供するETF/ETP には24 億米ドルの資金流入、そして国債型ETF/ETP には10 億米ドルの資金流出が見られました。コモディティ・エクスポージャーを提供するETF/ETP には63 億米ドルの資金流入がありました。このうち農作物コモディティのエクスポージャーを提供する ETF/ETP には36 億米ドルの資金流入、貴金属のエクスポージャーを提供するETF/ETP には20 億米ドルの資金流出がみられました。2010 年12 月と比較すると、ETF の一日の平均売買額(米ドルベース)は、2011 年3 月は55.3%の上昇し、720 億米ドルになりました。2010 年3 月には、一日の平均売買額は599 億米ドルでした。

 (出所) ブラックロック グローバルETF リサーチ&インプリメンテーション・ストラテジー・チーム,
 2011 年3 月末時点

ブラックロックについて

 ブラックロックは、運用資産規模や運用資産の多様性など様々な面で世界トップクラスの独立系資産運用会社です。グローバルにわたる資産運用、リスク・マネジメント及びアドバイザリー・サービスを世界の機関投資家、及び個人投資家の皆様等に提供しております。ブラックロックは、ファンダメンタル運用及び定量的アクティブ運用から、世界の資本市場を広範にカバーするインデックス運用まで、幅広いソリューションをご用意しております。こうしたソリューションを、機関投資家向けの投資一任口座や投資信託、個人投資家向け投資信託や業界を牽引する規模を誇るETF(上場投信)ブランドのiシェアーズ®等、様々な商品を通じてお客様にご提供しております。

 ブラックロックでは、お客様のニーズにお応えすることが最も重要であると考えます。ブラックロックにおける運用に対する姿勢は、個人投資家から世界の機関投資家の皆様まで、お客様のご希望を常に最優先と考える企業文化に根ざしております。

 ブラックロックの運用アプローチは、どのような市場環境においても優れたパフォーマンスを確保するべく、市場見通し、グローバルな規模とネットワーク、自社開発テクノロジー、徹底した情報の共有、厳格なリスク・マネジメントといった様々な要素を統合していくことにあります。

 ブラックロックは、グローバル・ネットワークと各拠点でのクライアント・サービスを併せ持つグローバル企業です。お客様は北米、南米、欧州、アジア、オーストラリア、中東に広がっています。また世界25ヶ国60超の都市に拠点を構えています(2010年12月31日現在)。

 2010年12月31日現在、ブラックロックのグローバル・ベースの運用資産額は3.561兆ドル(約289兆円)にのぼり、株式、債券、キャッシュ、オルタナティブ、不動産、アドバイザリー戦略と多岐にまたがります。また、ブラックロック・ソリューションズRを通じて、幅広いお客様に対してリスク・マネジメント、戦略アドバイザリー及び運用システム・サービスをご提供しており、契約サービス資産額は総額約9.5兆ドルにのぼります。

 ブラックロックのグローバル・ETF・リサーチ・アンド・インプリメンテーション・ストラテジーについてブラックロックのグローバル・ETF・リサーチ・アンド・インプリメンテーション・ストラテジー・チームは、世界のETF/ETP市場のデータ、分析、見通しに関して、業界有数の情報源との評価をいただいています。

 当チームはETF/ETPに焦点を当てていますが、iSharesの業務とは一線を画しており、お客様向けにETFとETPを利用したアセットアロケーションに関して独立した立場から市場リサーチとアセット・アローケーション戦略の実施におけるアドバイスを提供します。マネージング・ディレクターのデボラ・ファーが当チームを率いており、ETF市場に関して毎週、毎月、四半期ごとに包括的なコメントを提供するレポートとして「ETF Landscape」シリーズ、および168社の運用会社が提供するすべてのETFとETPを網羅したハンドブックを発行しています(運用会社数は2010年12月31日現在)。広範なリサーチ対象は業界内では類がなく、北米、中南米、欧州、中東、アジア、日本を重点に世界全体、および主要地域やETFの主要ジャンルを網羅しています。これらの刊行物は、世界の証券取引所、規制監督機関、金融関連メディアに携わる人々にとって、必要不可欠な情報源となっています。このタイムリーで包括的なリサーチおよび市場に対する識見を通じて、ダイナミックなETFの市場を一段と深く理解し、すべての市場参加者がETFを利用することで最適な投資価値を見いだせるようサポートしていくことは、当社のETF業界に対する使命であると考えています。

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